ユネスコ無形文化遺産に「和食」が登録されました。
「和食」をテーマにしたイベントやお店が増えてうれしいのですが、その「和食」を頼りにお伺いすると、何か私の期待していた物と少し違う事が多く・・・・
そこで、考えました。
「和食」と言う言葉ですが、人それぞれで意味や概念までも異なります。
例えば、寿司やてんぷらが和食と考える人も居ますし、
御出汁が利いている京料理をイメージする人も居ます。
ユネスコの無形文化遺産保護条約では
和食:日本人の伝統的な食文化
と定義されています。
ちなみに、
フランスは、「フランスの美食術(ガストロノミー):出産、結婚などハレの祝祭での社会的習慣であり、フランスの食習慣であり、フランスの食文化の知識」
メキシコの伝統料理:先祖代々、現在まで受け継がれているミチョアカンの食のパラダイム
地中海の食習慣:魚介類、穀物、乳製品、野菜、果物などをバランスよく摂取し脂質類はオリーブオイルを中心として、肉類は少量という健康と生活の質を保つ食習慣
ここで、「無形文化遺産の保護に関する条約」となる分野が5項目あり、これらを満たす必要があります。
1.口承による伝統及び表現
2.芸能
3.社会的習慣、儀式及び祭礼行事
4.自然及び萬物に関する知識及び慣習
5.伝統工芸技術
和食の要素として、第一にあるのが、「自然の尊重」という精神です。
食材の自然の味を生かし、自然の美しさを表現して、年中行事とも深い関係があること、四季の変化と地理的条件にともなう多彩な食材とこれを生かす旨味や刺身包丁などの独特の調理器具が用いられる事、さらに健康によいバランスのとれた食と発酵食品がある事、また和食を生かす工芸品のことが強調されました。
和食の特徴として4つあります。
1.多様な食材とそれを生かす工夫
2.バランスの良い健康な食
3.自然の美しさの表現
4.正月などの年中行事と関連し家族や地域の絆となっている事
これらは、「自然尊重の精神」が基礎になっています。
日本が、少し他と違うのは自然のなかにあるカミ(神)と言う霊的存在の意識のなかにあって、これが年中行事のなかに生きている食と結ばれていると思えます。
例えば、春の花見が、何故、桜(サクラ)なのか?梅や桃ではいけないのかです。
サクラという名は、サというカミ(この場合は農耕のカミ)とクラ(坐という字をあて、居ますところの意)です。つまり、サのカミの宿る神木。サのカミは、冬を山で過ごし、春の農耕の季節になると山から里に降りてきて農業を護ります。ですから農業が盛んになるこの時期には、五月(サツキ)、早苗(サナエ)とか早乙女(サオトメ)というサのつく言葉が色々とあります。
花見のサクラの下で、カミさまと一緒に飲み、食べ、さらに芸も披露して神様を楽しませる「神人共食」を行われます。
以上が、和食の概念です。
私が常日頃感、感じています「和食」そのものです。
ですから、私は、余市町で農地を取得して、「自然薬草園」を開設し、
札幌市中央区(伏見)で、カジュアルオーガニックの「マカリイズマーケット」をオープンさせました。
この概念は、漢方、特に日本の風土、文化で進化した、日本伝統医学としての漢方の基本的概念にも共通しています。
漢方薬を使うから、「漢方」と言うのが間違っている理由がこれで判るかと思います。
<問い合わせ先>
札幌市白石区南郷通7丁目北5-1 ℡ 011-861-2808
有限会社 中村薬局 認定薬剤師 中村峰夫
*参考文献:思文閣出版 「和食とは何か」 和食文化国民会議監修