普通の病院は、西洋医学で診断をします。
診断は、3つのパートから出来ています。
それは、
1.問診
2.診察
3.検査
の3つです。
医学部受験の時の習慣で客観的に試験答案に記入するのが得意なので、診断も数字に依存する検査の割合が大きくなります。よく医者はパソコンの画面ばかり見てと言う患者さんがいますが、これが原因です。
1の問診、2の診察は、患者さんと向き合わないと出来ません。特に2の診察は、医師の五感をフルに動員しなければなりません。例えば、診察室に入ってくる姿勢、歩き方から、患者さんの顏色(貧血などや脳梗塞などを判断)、聴診器で循環器や呼吸器の状態から、腹診でお腹を触り肝臓の腫れや子宮筋腫などを判断します。これが今の医師が苦手な分野になります。
この2の診察は、医療人としての医療センス、芸術的な分野にもなりますので主観的な部分が問われる部分で、これは教科書で覚える事ができません。
職人レベルの診察が苦手な為に、客観的な数字で出る血液検査などを重要視する現場の風潮があります。
ところが検査もその検査をした瞬間の情報ですので、例えば、狭心症があったとしますと、症状が無い時に心電図をとっても異常が出て、診断に結びつくことが少ないです。
それでも今の診断は検査重視になっています。
では、東洋医学はと言いますと
四診と言いまして
1.望診
2.聞診
3.問診
4.切診
になります。
1の望診は、字の通りで患者さんを外見から観察をします。歩き方、顏色、舌の形や色、白目の色、爪の色や形、シミなどの位置と大きさと色・・・・・
2の聞診は、声の大きさ、トーン、呼吸音、体臭などです。
3の問診は、西洋医学の問診と同じで、一般的には病歴を言います。
4の切診は、手首や頸の脉、お腹の柔らかさやしこりなどを診ます
東洋医学では、西洋医学で軽視されている診察の部分が東洋医学では望診、聞診、切診と明確に規定されていて重要視しています。検査が出来ない為もありますが…
どうしても診察にあたる東洋医学の望診、聞診、切診は、患者さんを診る医療人の医療センス、特に芸術的センスが重要で、可視化や文字化しにくい部分になります。教科書などで伝えるのが難しい理由になります。
有限会社 中村薬局 認定薬剤師 中村峰夫